【レンズレビュー】「Ai Nikkor 24mm f2.8S」[第1回]

注:ほぼ素人みたいな人間の書いたレビューなので、みょーちくりんな記載があってもあんまりいじめないでください。許してちょんまげ。

 

1年以上ぶりに実家に帰省した。といっても、ほとんど家の中にはいなくて、実家でしたことといえば初日にメシ食って、あとは風呂と寝床にしかならなかった。久々の関東はやることがたくさんある。北海道比であったかいし。

 

東京は嫌いだった。住宅地と平野と汚い東京湾しかない千葉の芋少年にとって、東京は最初は憧れの対象だったかもしれない。でも東京に通学するようになって、あまりの人の多さと忙しなさに辟易するようになった。千葉県民というだけでバカにしてくるヤツもいた。東京に住んでることはそんなにえらいのだろうか。親の金で住んでるというのに。何より、東京(都心)では常に上を見上げなければならない。そして上を見上げても、空が狭い。星も見えない。見えないこともないんだな〜とフジファブリックは言っていたが、それは多分奥多摩の話であって、都心じゃ見えないだろあんなの。とにかく、上を見上げなければいけないのが息苦しくて、こんなところにはいられないと思った。

 

でもたまにくる分にはいい。特に新宿が好きだ。帰省しても東京をフラフラする時は、決まって新宿。なぜなのかはうまく説明できないんだが、多少古臭いのがいいんだろう。地下道とかがそう。別に撮ったわけじゃあないんだが、撮りたくなる。札幌の地下道にも同じものを感じたので、多分、私は古いモノに惹かれるんだと思う。あとは単純に自身のシュミに合っているから。別に歌舞伎町側には滅多に行かないし、夜遅くにいることも今はほぼないから、又聞きするような治安の悪さも見て見ぬふりしている。まあ、昔はよく迷ったので苦手だったが、今では大体構造も覚えられたかな。

 

なんかよくわからない前段を置いてしまった。本題に入ろう。それで、何を目的とするでもなく、また新宿に来てしまった。新宿に来る前に、品川インターシティにあるニコンミュージアムに寄っていて、ああいうのを見ると人間はダメなんだよね。レンズ、欲しくなっちゃうんだよね。

しかもAIニッコールレンズ特集、みたいな名前の企画をたまたま館内やってて、ニコン関係者が各々のAIレンズで撮影して作例を並べるっていう。おかげで楽しませて頂きましたよ。

実はずっとMFレンズは一本欲しいとは思っていたんだけど、じゃあどれにするかっていうと全然決まってなかった。とりあえずD750に付くAIレンズ以降、できればAI-S…という位。どちらかというと趣味色の強いものだから、あんまりお金かけたくはないし…。

新宿は中古カメラ店がたくさん並んでるから、片っ端から見て回るんだけど、なかなか個人的に光るものがなくて、収穫なしかな〜と思いながら最後に1軒。「新宿中古カメラ市場」さんで、タイトルのこいつに遭遇してしまった。それこそが、

Ai Nikkor 24mm f2.8Sである。

15分くらい悩んで、買い。なんと、¥11,000である。現金のみと言われてしまい(まああるあるだよね)急いで足りない分おろしてダッシュで帰ってきて、即購入。

 

外観

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コンパクトでいい。けど、しっかりしてる感は伝わってくる。リアキャップは、その辺にあったテキトーなやつなので、勘弁して欲しい。後で調べたら相場よりちょっと安めだったけど、カビや曇り、ヘリコイドスカスカとかもないし、全然キレイだ。あんまり人気ないんですかねえ。

 

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いわゆる「カニ爪」がついてる。必要になる場面は、まあ、ないけど、オールドニッコールらしさがあっていいんじゃないですか。分かる人に分かってもらえればね、うん。

 

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レンズ単体では300gを切ってきた。これだけ軽いと気軽に持ち出せて良いね。D750と合わせても1.1kgくらい。スナップにおいて、軽いは正義である。まあ、軽くなくても、なけなしの筋力にものを言わせて振り回すんですけど。

 

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前から(開放)。シリアルは70万台だったけど、これはいつ頃作られた個体なんだろうか。保護フィルターが汚い。例によってフィルター径は52mmなので、手持ちのものとも共用できる。この辺りの配慮はニコン様々。ところで長年つけられたままで固着しているのか、保護フィルターが外れない。どうしたものか。(←後日、ゴム手袋をつけて気合で外した。あまりにも怪力だとレンズを破壊する危険もあるので、あまりおすすめはしないww)

 

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ケツの方から(開放)。f2.8でも結構明るいね。そりゃそうなんだけどさ。パーフェクト個体ってわけでもないんだけど、年式考えたらまあ綺麗な方。

 

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D750に付けるとこんな感じ。レンズがコンパクトだからちょっと不恰好かなと思ったんだけど、真正面から見ると意外に合ってるな。こういう古いレンズを買うと、Dfが欲しくなっちゃうね。どこかから降ってきたりしないかな。

 

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斜め横から。シルバーが入って引き締まる感じ。こう見ると全然不恰好じゃないじゃん。ちなみに専用のフードもあるみたいだ。フードつけたらもう少しサマになるかな。全然意味をなさないらしいけど、ビジュアル重視で。

 

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カメラ側でレンズ情報を手動設定してあげれば、ExifF値やSSとかの諸々データも残ってくれる。この機能がないカメラの方は…頑張ってください()。

 

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同居人のD5300を借りて、装着。コンパクトボディなので、D750につけるより見た目のバランスが取れてる。APS-Cなら換算36mmだから、標準域の単焦点として実用的に威力を発揮しそうだ。なお、D5000番台とD3000番台は露出もマニュアル(Mモードしか使えない)になるので、露出計がないと修羅の道である。でもその手探り感がたのしいのである。(←ほんとか?)

 

作例

以下、館山と斜里(と一部釧路)で撮ってきた作例。時々思い立ってはこのレンズを持っていくので、追記の際に作例も追加している。

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  • Ai Nikkor 24mm f2.8S + D750
  • 1/320sec, f/8, ISO100 千葉県館山市 伊戸漁港付近

風景ならば、無限遠に合わせて撮るだけ。AFより早いかも。しかも軽いから、ある程度握力のある人なら、D750との組み合わせでも片手で撮れちゃう。これはいいスナップレンズだぞと、撮りながらもうワクワクしていた。歪曲もほぼ目立たないね。

 

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こっちは開放で。デジイチならライブビュー使えばピントも合わせやすいよね。ミラーレスならなおさら。開放でもf2.8だから、ピント面カミソリすぎる!ってこともないし、まあ扱いやすいんじゃないですかね。色乗りも、結構良い感じ。赤系は鮮やかだけど、青系統は少し淡いのが超好み。

 

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  • Ai Nikkor 24mm f2.8S + D750
  • 1/80sec, f/8, ISO1000 千葉県館山市 伊戸漁港付近

最短撮影距離30cmまで寄れるので、ご飯も撮れる。個人的に、なんでも撮るスタイルなので、料理を撮れるくらいに寄れるのはめちゃくちゃ助かる。いま写真を載せるにあたり、かなり拡大してみて感じたけど、解像度も結構良いな。実用にも耐えてます。

 

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縦でも撮影。開放で。24mmの画角が効いて、空間の拡がりを表現できた。ピント面がよくわかんなくてさすがに粗い感じではあるが、いいんですよ古いレンズだから。この粗さも楽しむくらいの気持ちでいこう。アラサーだし。なにいってんだ。

 

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逆光耐性はどんなもんだろうと思って撮ってみたけど、正直よくわからなかった(笑)。多少ゴースト出てるな〜くらい。この辺はもうちょいテストしてみることにしよう。

 

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左手できっぷを持って、片手で撮影。これができるとオタク的にはめちゃくちゃ助かる。もちろんMFなので、レンズは最短撮影距離に合わせて、被写体側を前後させてピントを合わせるという、いささかみょうちくりんな事をすることになったが。

 

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  • Ai Nikkor 24mm f2.8S + D750
  • 1/30sec, f/2.8, ISO1000 北海道斜里町ウトロ

暗所でもがんばれるぞという一枚(ごちゃごちゃの食いかけですいません…)。寄ることで背景をぼかすことも可能だけど、被写体によっては背景がうるさくなってしまうかも。ところで、趣味レンズになるかと思いきや、なんでもイケるスナップレンズ筆頭になってしまった。

 

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流氷物語号と快速しれとこ摩周号。快晴だとこんなに鮮やかなブルーが出る。これ別に何もいじってないですからね。撮って出し状態だからね。結構素直にありのまま写してくれる感じがする。もうこれ、トキナーAT-X16-28はいらないかもしれない()。

 

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窓ガラス越しだから少し眠いけど、色表現いいでしょ〜。はい。それだけです。しかしなんでこの時の私はf/5.6をチョイスしたんだろう。たぶんカニ爪が一番上にくるポジションだからだな。たぶん。f/5.6で周辺減光もほとんどない。

 

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しばらく出番がなかったので、花咲線旅にまた持ち出してみる。やっぱり使うと、これいいな、となる。また付けっぱなしにしたくなる魔力のあるレンズだ。

 

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カンカンに晴れてたので、やれていなかった逆光テスト。確か無限遠で。かなり意地悪な位置に太陽を持ってきたけど、40年前の設計のレンズと考えたら頑張ってるんじゃないかな。少なくともトキナーAT-X16-28/2.8よりは全然いい。

 

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まだ動いている車内から一撃でとらえた1枚。これはキマった時嬉しかったね。コントラストと空の色乗りが美しい。

 

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  • Ai Nikkor 24mm f2.8S + D750
  • 6sec, f/11, ISO640 北海道釧路市 釧路大漁どんぱく2024

三脚を使って長秒撮影。無限遠に合わせて、各種設定したらあとは打ち上げに合わせてシャッターを切るだけなので、下手にAFで頑張るよりも断然ラクだった。フィルター径52mmのNDは4段しか持ってなかったので、もう少し強いのがあってもいいかも。この頃のニッコールレンズは軒並み52mmで揃えてくれているのも助かる。

 

総括

ということで、小生の拙い作例を公開したところで、締めたいと思う。24mmという画角は日常使いするには広角すぎるのではという不安もあったが、全くそんなことはなく、オーバースペックすぎないのも相まって軽量コンパクトで、非常に使いやすい1本だった。お出かけに持ち出すのに付けっぱなしにしたいくらい、ラクなのになんでも撮れて楽しいレンズだと感じた。

ヘリコイドが軽めなのがMFレンズとしてはうーん…なんだが、どうやら「仕様」ということらしい。欠点らしい欠点はそれくらいで、ついつい持ち出したくなる1本になった。古いレンズとはいえ現行機種にも装着可能かつ流石にf/2.8単焦点なので、投げ売りとまではいかないが、比較的安くて扱いやすいオールドレンズだと思うので、もし状態のいいものを見つけたら買ってみてはいかがだろうか。最初の1本には良い選択肢になるはず。

またAPS-C勢は換算で36mmと、スナップにはもってこいな焦点距離になるので、D7000番台、Z50やZfc+FTZでの運用は現実的なラインだと思う。特に7000番台はよさそう。価格.comのレビューでもAPS-Cでの使用が多い印象を受けた。これはまだ試せてないんだが是非やってみてほしい。小生は嫁のD5300で試したところ、露出含めフルマニュアルになってしまったため諦めた(笑)。

そんな私はいま、24/2.8Sで完全にオールドニッコールの味を占めてしまったため、AI Nikkor 28mm f2.8Sも欲しくなってしまっている…これがレンズ沼である。おしまい。

 

最終更新:2024/09/18

人知れず「Peach成田釧路便」が3/25まで実質休止状態に…(考察含む)【LCC】【Peach】

この(個人的には大問題なのだが)些細な問題に気がついたのは昨日のことである。

明後日からPeachで釧路から帰省するんですよね〜〜(予約は既に取ってある)という話を先輩にしたところ、

Peachの成田釧路便、1/10から先、全然ないんだよね〜😭」

 

…は??

 

ごめんPeach成田釧路がないってなんぞ??ワイしぬぞ????…と思ってみてみたらマジだった。マジで全然運航がない。

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こちらがSkyticketで見た時の成田釧路便の予約画面。成田-釧路で就航しているのは現状Peachだけなので、金額表示なし=そのまま運航なしということになる。

 

さらに色々エゴサしていくと発見した、Peachの2022年冬ダイヤ(2022/12/01〜2023/03/25)である。

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ということで、こちらは12/1〜年明け2/28までの時刻表。成田釧路便を見ると、驚くことに年末年始のみの運航である。ちなみにシレッと女満別便も減便されている。

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ちなみに、なぜか関空釧路便は充実していた。なんで……????

 

さらに、3/1〜25日分の時刻表を見ると…f:id:shogaitabibito:20230105183512j:image

なんで!?!?!?!?

もはや表記すらない。つまりこの期間中、ただの一度たりとも運航がないということである…。女満別便は毎日運航なのに…(ちなみに関空-釧路、関空女満別も全日運航でした)。

 

今回このPeach釧路便に関して少し調べてみたところ、実は関空釧路便の方が2年も前に就航開始していたことが判明(2018年8月)。コロナ禍前からの設定がある路線である。

一方、成田釧路便が開設されたのは2020年8月。なんとコロナ禍真っ只中、一番やべー時期に就航開始しているのである。

ということで、各方面減便、当然国際線も飛ばせず、機材がだぶついている中での就航であったことが想像できる。さらに現在の状況を考えると、アジア各方面への国際線が就航を開始したことに加え、折からの半導体不足などに伴う機材納入遅れも発生しており、機材繰りが苦しい状況も想像が容易だ。昨年11月末には実際に運休も発生している。

ただ、毎度帰省のたびに乗っていると、平日はそれなりに空席もあるものの、休日は満席近い搭乗率の便ばかりだった印象があり、特段搭乗率実績が悪かったということもなさそうである(1日1便しかないし…)。

……以上を考慮すると、機材的に余裕ができるまでの間はなかなか安定した成田釧路便の運航は難しいのかな…という感じがする。しばらくの間はそれこそGWお盆年末年始、あと夏休みシーズンくらいしか…。1月下旬に夏ダイヤが出ると思うので、そこで答え合わせである。

個人的な意見で言うと、成田からの方が圧倒的に羽田より実家に近いし安いので、正直相当痛手ではある。ただ、羽田から帰れないというわけでもないので、しばらくの間はADOで帰省することにする。1日2便はあるし、快適だし()。

ついでなのでもう少し書かせてもらうと、しばらく運航が無いなら無いでいいんだけど、流石にもう少しアナウンスはして欲しいかな。あとHPも成田釧路便のページが魔放置されてて、運航がしばらく無いのを知らない人がめちゃくちゃ困惑すると思うので、そこは改善していただけると。それから、公式Twitterの方で釧路PRして頂けるのは、市民としては非常に嬉しいのだけれど、成田便を全休させている状況でPRされるのもなんかモヤモヤするし、しばらくの間は関空便しかないことに一切言及がないのもちょっと萎え…と思ってしまった。

 

ということで、冬の東北海道は寒いですが最高ですので、是非とも(女満別発着でなければ)JALANAADOお越しください。

【独断と偏見でホテルレビュー】阿寒の森鶴雅リゾート花ゆう香

めっきり更新しなくなってしまった(というかもうTwitterで書くこと書けば良いかの精神になってしまっているのと、長文を書く気力が残ってない)ので、無理やり新シリーズを開始させることにした次第である。

 

その名も【独断と偏見でホテルレビュー】

である。

まあ名前の通りなのだが、私の独断と偏見で泊まったホテルをレビューしていこうという企画である。

各項目は五段階評価とさせていただく。(最低が1、最高が5)

恐らく辛口になったり、一部忖度するような評価もあるだろうが、独断と偏見によるレビューなので、その程度の評価のブレは当然許されるためご承知いただきたい。

栄えある第1回は、昨日から北海道釧路市(旧阿寒町)にある「阿寒の森鶴雅リゾート花ゆう香」に宿泊してきたため、早速レビューしていきたいと思う。

 

 

0.「阿寒の森鶴雅リゾート花ゆう香」について

此方のホテルは、北海道のホテルでは大御所とも言える鶴雅グループが運営・所有するホテルである。特に阿寒湖温泉は、鶴雅グループのホテルが5つも密集する一大拠点となっている。

・一番人気かつ有名な

「あかん遊久の郷鶴雅」

・ファミリー、若者向けの

「阿寒の森鶴雅リゾート花ゆう香」

・花ゆう香よりは高級志向(?)になった

「あかん湖鶴雅ウィングス

・ペットと一緒に泊まれるロッジ型ホテル

「鶴雅レイク阿寒ロッジトゥラノ」

超高級宿である

「あかん鶴雅別荘 鄙の座」

が並ぶ。

 

今回宿泊したプランはクリスマス時期用のプランで、シャンパンとクリスマスケーキが付く。また「HOKKAIDO LOVE!!割」を僭越ながら利用させて頂いたため、宿泊費は30%ほど安くなっており、「ほっかいどう応援クーポン」も1人3千円いただいた。また、予約は公式サイトからおこなったため予約時点で5%引きになっている。宿泊費は1泊2食付きで15,000円ほどのところ、10,500円ほどである。

 

 

1.部屋・アメニティ【評価:3.0】

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今回宿泊した部屋は「新洋室湖側」である。最上階の7階かつ部屋の窓も湖側ということで、天気にも恵まれ午後〜夕方〜朝と様々な時間帯の美しい阿寒湖を静かに(暖かい空間で)眺めることができたのは賞賛に値すると言えよう。あ、当然禁煙。

空調(特に暖房)は効きすぎるくらいしっかり暖めてくれるもので、温度調整も風量調整もダイヤル式のいかにも古いものではあるが、寒い阿寒の冬でも戦闘力のあるものになっている。

部屋自体に老朽化は感じなかった。どちらかと言うと細々した部分のフォントと洗面台の造形から時代を感じたくらいか。ベッド横に洗面台を配置したのは、少しでも部屋空間を大きく確保するためだと思われる。洗面台を含めたユニットバスとしてしまうと、その分居住スペースが削られてしまうからだろう。それにしてもどうなんだと思わなくはないが、まあ致命的な問題とは言えないだろう。

部屋はお世辞にも広いとは言えないが、窓側に小上がり(?)があるため、まあ必要十分なスペースの広さはある。ただ、2人での使用を想定している以上、小上がりの座椅子はもう一つ欲しかったところ。お茶パックを複数個用意していたのは◎。洋室なので、特に急須などでなくても問題ないと思う。茶菓子は2つとも彼女にあげてしまったのでわかりません。

ベッドに関しては、少しスプリングが柔らかい印象を受けた。人によっては腰痛が出るだろうなあというのと、これが仕様なのか老朽化なのかは分からないが、これだけ柔らかいと高級感はあまり感じられないのではないかと思う。あと敷き物がちょっと…ラ○ホっぽいので()もう少しシンプルにしていただけると…()

シャワー、トイレはユニットバス式。トイレは綺麗でよい。またシャワーに浴槽はない。この価格帯、かつ2人以上での利用を想定したリゾートホテルであることを考えると、浴槽なしというのはいかがなものかと思われるが、「阿寒湖温泉」の「温泉宿」として売り出している以上、大浴場を利用する人が99.9%であるため、大きな問題ではないだろう。

個人的にちょっとなあと思った点が2点。まず、細かい部分の清掃が行き届いていないように思えた。入って荷物を置いてすぐ、彼女がベッド脇の床に髪の毛が落ちているのを発見。また私も、洗面台下の椅子に汚れが残っているのを発見した。まあ安いプランで宿泊させて頂いているので、特段文句を言える立場ではないのは重々承知の上なのだが、流石に気付いていただきたかったなあというのが正直なところ。

そしてアメニティ提供方法。私自身SDGsというものが本当に気持ち悪いなあ()と思っているのだが、まあそこは百歩譲って理解することにする。ただ、櫛やシャンプーハットはまだしも、100%宿泊客が使用する歯ブラシセットまでフロントでの提供にするというのはいかがなものだろうか。うがい用のコップは置いているのだから、一緒に置いても良いんじゃないか?と思ってしまう。この2点が個人的に大きく評価を下げた点になる。ただ、浴衣は男女共に3サイズ展開で最初から置いてあるし、何より女の子用がめちゃくちゃ可愛いので、寛大な人ならこれでポジれてチャラにできるかなぁってところである。

 

 

2.食事【評価:4.0】

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↑あ、ついでに浴衣見ていってください。可愛いでしょ(威圧)

夕食・朝食共にビュッフェ形式美味しいのは勿論のこと、品数も結構多く、和・洋・中なんでもござれである。デザートも充実。また「阿寒湖の鯉の洗い」など、ご当地メニューもあるので地域性も実感できて良いラインナップであった。特に夕食はワインが進みすぎる料理ばかりで、おかげで泥酔一歩手前であった(褒め言葉)。

夕食は少し遅めの時間(19:30〜)を希望したので、全体的に冷めていたのが残念ではあったが、宿泊客も少なく、フードロスの観点からすると新たに追加で作るのも…という感じだったので、致し方ないかなと思う。アツアツを食べるなら夕食時間開始後すぐに食べに行けば、この問題は解決すると思われる。たぶん。

プランで付けてもらったスパークリングワインも、調べた所プラス価格相当のものだと思うし、美味しかったので何も文句はない。(もっとも、白・辛口だったので、甘いお酒が好きな彼女の舌には合わなかったみたいだが…)

クリスマスケーキも随分立派なもので、甘すぎず大変美味であった。また余ったケーキとワインを部屋に持ち帰る際には丁寧に包んで頂き、新しいグラスまで出して頂いた。おもてなしの精神を感じられて良かった。食べ終えた皿についてもそれなりにスピーディーに下げて頂けたので満足している。まあもちろんここより料理が美味しいホテルはあるんだけれども、お腹いっぱい色々なものを楽しめて、かつちょっとオシャレな空間でちょっとオシャレな時間を過ごせると考えたら悪くないんじゃないかな、と思う。

 

 

3.温泉【評価:2.0】

個人的に一番評価を下げてしまったのが温泉。

「花しづか」と名乗る大浴場は阿寒湖温泉の源泉かけ流し。泉質は単純温泉。入った感じ、pHはほぼ中性なんじゃないかなあ。それほど特徴のある泉質ではない。勿論万人受けするものではあるし、温泉ってだけで気持ちいいのは間違いないんだけど、物足りなさを感じたのは恐らく私が尖った泉質の温泉が好みだからだろう。実際2日目にチェックアウトして、鶴居村まで下ってきてホテルTAITOの日帰り温泉に寄ったのだが、そこの高アルカリ含重曹温泉がハンパなく気持ちよくて、やはりそういうことなのだろうなと思った。ただ、ここまでは本当に好みの問題であって、好みの問題云々で庇いきれないのはここからである。

まず、内湯2種+サウナしかないこと。構造上露天風呂は造れなかったのかもしれない。遊久の郷やウィングスとの差別化を図って敢えて造っていないのかもしれない。それでも「阿寒湖温泉」にある以上、利用客はそれなりに「温泉」に期待を寄せて来ているわけで。あまり温泉を全面にプッシュしたホテルではないとはいえ、もう少し力を入れて欲しいなあというのが私の意見である。あと昨今のサウナブームを考慮すると、サウナ(と言っても15時〜22時の間しか使えないのだが…)があるのに水風呂がないのは割と致命的かも…。

そして、とにかく目立つのが老朽化。入り口の自動ドアに始まり、天井、シャワーホース、湯船外壁など、あらゆる箇所に見受けられる。大浴場のフローリングが比較的綺麗なだけに一層目立ってしまう印象だ。特に天井はひどい。せっかく天井窓があって、露天風呂がないにしても空を見ながら少しだけ露天気分で浸かることができるのに、一部ゴム部分?が剥がれて垂れて来てしまっている有様だ。流石にお粗末であると言わざるを得ない。また大浴場付近の喫煙所についても魔放置感が否めない。せっかく外装は凝ったつくりになっているんだから、せめて外装にも照明くらい付けようぜ…と思ってしまう。

遊久の郷やウィングスと比べると、どうしても温泉設備で大きすぎる差をつけられてしまっている気がしてならない。阿寒湖温泉という立地にもかかわらず大浴場がこの有様では、厳しいなあという感想になってしまうのも致し方ないのではないか…。

 

 

4.総合評価【評価:3.0】

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良い面も悪い面もハッキリしているかな、という感じであった。ただ、大雑把な人であれば特に気がつかないと思う。施設の老朽化もまあ目をつぶることができなくもないかな…という範囲内だと思う。

荷物を車から台車でフロントまで持って来てくれて、部屋まで持っていってくれるのかなと思ったら、いやフロントから部屋までは自分で持ってくんかい!!ってなった以外は、スタッフ対応も丁寧で迅速であったと思う。外国人スタッフも半分近くを占めていたが、しっかり教育を受けているんだろうなあという応対ぶりで感心した。チェックアウト時は少し淡々としている印象を受けたが、まあ忙しい時間帯だと思うので許容範囲だろう(これでもだいぶ寛容だけど)。

ただやはりスタッフ云々とかの問題ではなく、施設自体にウーンという部分があるのは否めず、今回は1泊10,500円程度で泊まれたのでまだ価格相応かなと思うのだが、これが通常価格15,000円だったと思うと「ちょっと高いんじゃないのかな」と感じてしまう。何なら昨年も和洋室で泊まっているのだが、その際は1泊20,000円だった。当時の自分よく出したな…と思う。まあ何を言いたいかといえば、釧路からのアクセスの良さや温泉街に立地するということ、周囲の観光資源の豊富さも含めて、ホテル自体は決して悪くないんだけど、通常価格で価格相応かというと、どうしても首を傾げてしまうかな…。あと、「これが鶴雅か…」ってなっちゃうのも痛いな。もう一回泊まりたいか…?と言われると…正直何とも言えません。

大浴場をはじめとして老朽化も進んでいるので、今回も外壁工事を一部でやっていたが、思い切って大型リニューアルをおこなっても良いのではないかなと思った。特に旧阿寒町の中でも、阿寒湖温泉の一帯は田舎の温泉町あるあるではあるが寂れ方が尋常ではないので、このままだとジリ貧な様な、そんな気がする。

"キャリアプラン"なんかどんどん崩壊するよ的な事が言いたい話

 たまには書く。これは本当に気ままに散文を書き散らしている、もはやブログでも何でもなくいったいどんなジャンルなのかよく分からないコンテンツである。こんな感じで適当に書いてるので、読者も適当に読む資格がありますわね。

 

 さて気づけば2個下の後輩の就活戦線がいよいよ開幕しようとしている。社会人として約1年過ごして、キャリアプラン(笑)とかいうものについて気がついた事があるので少し書いてみよう。寝れないので。

 

 ご存知の通り(かは分からないが)、私は身一つで遥々北海道までやってきた(と思ったらさらに釧路まで来てしまったわけだが)。まあ就活がものの見事に大爆発してしまっていたのでこれ以外の選択肢が無かったといえばそれまでであるが、例えば業界を諦めて近場のどこか適当なとこに入るとか、就職留年でもしてもう一年遊べるドンする選択肢もあったわけで、それでも北海道で生きる事を決めているのである。

 北海道という地理的条件上(だけではなくこれはヘイシャの置かれている経営状況もあるんですが)、どうしても東京大阪名古屋横浜辺りと比べると賃金水準が一段下がる。それでもずっと働き続ければ独り身ならそれなりに良い暮らしができるんじゃないか(福利厚生は結構いいし)、それでいいんじゃないだろうかと決意してこんな北の果てまでやってきたのである。

 つまり、私のキャリアプランの大前提にあったのは「生涯独身で生きていく事」「定年までヘイシャで働く事」である。

 では現時点でどうか。はい。めちゃくちゃ結婚したいです(笑)。この時点でキャリアプランは半分崩壊している。いや〜いざ働き始めてみたら「クッソ寒い中仕事を終えて疲れて家に帰っても誰も迎え入れてくれる人がいない」って結構寂しいなぁとか思ってしまったんですよ、ええ。

 そして転職せず定年まで今の会社で働くという事、これは何があっても揺るがないかなあと思っていたんだけれど、100%そうするとは自分に約束できないなあ…と最近思いつつある。まあ非常に専門性が高くてドメスティックで閉鎖的なヘイシャなので果たして受け入れ口が同業他社か公務員以外にあるんだろうかとは思うのだが、例えばそれこそ結婚するとなって向こうの方が稼いでるじゃんとかなったら、こっちが着いていくのもアリなんじゃねえのって思うんである。養われるというのも悪くない話である(笑)。

 加えてお仕事面ですね、これもやりたいと思っていた筈の事がかなり揺らいできてしまった、というか分からなくなってきてしまった。それなりにデカい会社なので正直めちゃくちゃ色んなルートがある訳で、何がやりたいか分からなくなってきているという迷走状態に陥っているとも言える。こんな訳でシューカツ生時代にシコシコ考えてペチャクチャ喋った私のキャリアプランというものは1年も経たずして完全に瓦解してしまったのである。

 

 勿論、「だからキャリアプランなんか考えなくていいぞ」って言いたい訳じゃない。正直キャリアプラン聞かない会社なんかマトモじゃないと思うので。だって会社側の思惑通りのルート進めよって言ってるようなもんじゃん。ちゃんと全力で考えに考え抜いて作り上げて欲しい。でもそれは「"今あなたが思う"将来入社してやりたいこと」ベースで構わないし、入社してからどんどん崩壊したって全然構わないのである。崩壊した分だけ仕事に対する視野や知見が拡がったとも言えるし、結局人生はなるようにしかならないからね。そんな感じで気ままにやって貰えばいいんじゃないでしょうか、ということが言いたかった文章でした。

機材リスト

デジタル一眼レフ

Nikon D750

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2020年9月購入。確かこの頃内定がようやく出て、卒業も確定したんで買ったんだったかな。タイミング的には後継機のD780が出て、D750が生産終了して中古が相当値崩れしていた時期だったので、新古品とはいえかなりお得に購入できた(10万円くらい)。中型フルサイズが10万で手に入れられたのだから万々歳よね。それほどの腕でもないし、僕には最新機じゃなくても十分だなあと思ってD750にした。

実際使ってみて、僕には十分すぎるくらいのスペック。各種機能が充実しているだけのみならず、サイズもD850ほどゴツすぎないのでガンガン振り回せる。連写もD500ほどではないけど、そこそこイケる(あまり使わないけど)。

プロでもない限り、700番台くらいの機能性があれば十分ではないかなあというのが私見であり、使ってみての感想。これ一台あればもうフルサイズデジイチは他の機体いらないなと思える、それくらい満足できるカメラです。あんまり高画素機だと暗所がツラいし、一枚一枚の容量もデカくなってしまうし。

まああえて不満点を挙げるなら、ファインダー撮影時のAFポイントはもうちょっとたくさんあると便利かなあ。Wi-Fi接続は…特にいいや。なお3ヶ月で生で持ち運び中に電柱にぶつけてオートフォーカスがご臨終した模様。2021年7月、ようやく修理完了。

 

【フィルム一眼レフ】

Nikon FE

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2021年7月購入。初ボーナスが出たその日にメルカリで落とした。ズームレンズ付きで1万ちょっとだったかな。以前からフィルムはやりたいと思っていたのだが、それに加えて非Aiレンズを使いたいと思っていたので、そうなると選択肢が少なくなってくる(FA、FM2あたりだともうアウトですね)というわけである。FE、FM、F2、F3が最終的な候補だったのだが、絞り込み測光になってしまうとはいえギリギリ非Aiが装着できること、状態の良さ、価格帯、デザインでFEをチョイス。シンプルで洗練された良いデザインだなあと思う。指針式の露出計なのでかなり直感的に露出が見れて使いやすい。ただ、恐らくこの機体は電子シャッターが壊れているか接点不良か何かで、機械式シャッター1/90sしか使えないのが現状。修理に出すと言っても直せる店舗があるかもわからず、状態の良いFM2なりFMなりをもう一台買ってもいいかなあと思っている。あとはAFの使えるフィルムカメラがあってもいいのかもしれない。廉価だし、練習用でF601とかあたりを…。

 

Nikon F90X

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2023年8月購入。世の中にはいわゆる「ジャンク」と呼ばれるものがたくさんあるが、その最たる例がカメラであったりする。そんな「ジャンクカメラ」のひとつ。

元々の発売は90年代中盤(Nikon F5が出る直前くらいです)で、当時の小売価格が16万円ほど。F一桁機までとは言わずとも、当時のNikonとしては結構高性能な中上位AFフィルムカメラなのだが、2023年の今、ハードオフで1,650円。なんだか悲しくなってくるが、このままショーケースの中で見せ物にさせられ続けるのも不憫すぎるので救うことにした。

ショーケースの上段中央あたりにあったので表面しか見えなかったが、なかなか綺麗。取り出してもらって裏面を見るとベッタベタである。どうもこの時期のプラスチック素材は経年劣化でこうなってしまう運命にあるらしい。が、裏蓋を開けることすらせず5秒で買ってしまった(ちゃんと確認しましょう)。

ベタつきは無水エタノール重曹で拭けば綺麗に取れるし、電池を入れたらバッチリ通電したのでなかなかにいい買い物ができたと思う。シャッターもめちゃくちゃ元気だし、裏蓋の内部も使用感がほとんどないくらい綺麗な状態で助かった。電池室も液漏れなし。電池といえば、このF90Xは単3電池×4で稼働するのもうれしい。電池が切れてもその辺のコンビニで買えるからね。最悪他の電化製品の電池を犠牲にできるし。

普段D750を振り回している身としてはボディがそこまで大きいとは感じなかったが、レンズを装着すると1kg超。しかしこのずっしりくる感じがいい。軽すぎると僕はダメなのだ。外観も古さは感じさせず、でも一昔前のようなネオクラ感が伝わってくる。

このF90Xの持ち味は2つ。1つはシャッタースピードが1/8000秒まで使えるということ、これはD750すら凌駕する(1/4000がマックスなので)。明るいレンズも安心して装着できる。もうひとつは当時の最先端技術である「3D-8分割測光」というもので、正直よくわからないがDタイプニッコールレンズのみ対応になっているのである。Dレンズばかり持っている僕にとってはありがたい話である。

ということで、見た目のベッタベタだけでジャンク扱いされていた可哀想なF90Xは見事甦り、時を越えて令和の時代にまた活躍し始めている。AF速度も速いし、ファインダーもデカくて見やすいし、手に入れ易いし楽なのでオススメです。

 

 

【レンズ】

Ai AF Zoom Nikkor 24-85mm f/2.8-4D(IF)

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2020年9月購入。フルサイズ対応のレンズが手元になかったので、汎用性が高くてお買い得なレンズを探していたところコレがヒットしたのでお買い上げ。広角f/2.8がいい(と、当初は思っていました)。50mm以上を使うことは(これまでは)あまりなかったので、基本的にはこのレンズをD750に付けてる。レンズに付いてるスイッチをカチッとずらすと35mm以上でマクロ撮影も可能というスグレモノ。

このレンズの何が良いって、とにかく汎用性が高いこと。広角24mmも多少歪みが出るとはいえ変な歪み方をするわけではないし、24-70だと望遠側で痒いところに手が届かないなあという人には、85mmまで望遠できるレンジの長さが効く。さらにマクロ機構(Nikonは、マイクロレンズって言うんだよね。コレ。)もついてるので、接写も得意。しかもかなり寄れる。本当にこれ一本あれば大抵なものは写せてしまうわけである。風景から料理までなんでもイケる、現代ではもう出ることのなさそうなレンズ。この時代のハーフマクロ機能があるからこそ実現できる、使用用途の幅の広さなのでは無いだろうか。

2世代前のレンズとはいえ、なかなか良い感じの写り方になってくれる(と、僕は思う)。決めるべきところはしっかりシャープに写してくれるし、僕は狙って撮れるものではないけれどたまには2世代前相応の写し方もしてくれて、最新鋭のレンズと違って逆光には強くないのでゴーストが出てくれたりして。そんな気まぐれなこのレンズが好き。

不満点を挙げるとしたら、望遠側85mmの写り具合。近くのものを写す分にはあまり問題ないのだが、遠くにあるものを85mmで写すと解像度が微妙。70mm以上は素直に望遠レンズに切り替えたほうがいいかも。解像度に関してはちょっと絞ったら変わるかな。そのうちやってみます。

 

【2024.1.6追記】

気づけばこのレンズもテレ端85mmばかり使うようになりました。夜でない限り基本的にはf/8まで絞って使用しています。まあ本体もD750だからISO4000くらいまで上げてもなんとかなるし。ワイド側は頻度が高いのは35mmまで、それより広角側はもう非常用くらいですかね…ハーフマクロスイッチももっぱらオンにしっぱなしであります。

と書いたところで、実は年末年始でレンズ自体が故障してしまいました。30mmあたりからワイド側に回らなくなってしまいました。テレ側は使えるのでまあ使えないこともないんですけど、修理に出すとなると購入価格を超えてしまいかねないので、同じ24-85/2.8-4Dの2玉目か、ワイド端24mmも今となってはほぼ使わないので、思い切って28-105/3.5-4.5Dへ買い換えすることも検討しています。

 

【2025.1.9追記】

28-105/3.5-4.5D導入に伴い、現在は自宅警備員をやってもらっております。が、ちゃんと直したい意思はあるので、修理がきくうちに出す予定です。…たぶん。

 

 

Ai AF Nikkor 50mm f/1.8D

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またしても出ましたDレンズ。中古だと状態が良くて手に入れやすい価格帯のものが多いので個人的にDレンズはオススメ。単焦点が欲しいなと思って新宿の北村写真機店に赴いて、色々並んでいる中でひとまず50mmから攻めてみるかと思い購入。レンズ自体は1万2千円くらいだったと記憶している。巷にはf/1.4とかf/1.2とか並んでいるが、素人が扱うにはまあf/1.8くらいあれば十分すぎるなあと思う。このレンズ一本勝負でも全然いける。

僕はf/2〜2.8あたりでよく撮っている。柔らか〜いボケが綺麗。初出はかなり古いレンズではあるが、解像度はさすが。めちゃくちゃ軽くて持ち運びにも全く難儀しないのも推せるポイント。そう、このレンズとにかく小さいし軽いので気軽に持ち出せるし、スナップしようって気にさせてくれる。単焦点の楽しさを僕に教えてくれた大切なレンズなのです。

そんな訳で最近(2021年当時)はこのレンズがメインになっている。ただ最短撮影距離は長めで、接写は苦手かな。そういう時はクローズアップレンズをつけるか、24-85にバトンタッチして貰っている。

 

【2024.1.6追記】

変わらず50/1.8Dは出番が多いね。特に評価できるのは、軽量コンパクトさと写りのバランスの良さ。F90Xも手元に増えたが、持ち出す際は大体50/1.8Dがセット。また、重量の関係で、遠征などの持ち出す機材を厳選しなければならないシチュエーション(それこそLCC利用時はシビアだからね…)では必ずと言っていいほど選ばれる1本。プラスチッキーなボディは安っぽいという声もあるけれど、そこまでチープな感じはしないし(多分絞りリングもついてるからだ)、機材が限られる時にはプラスチック故の軽さがキクってわけ。

50mmという画角、風景写真では正直あまり使いこなせていないのだが、街撮りではかなり重宝すると感じます。スナップやるなら持ってて損はないかと。ただ、単焦点50mmは激戦区だし、今となっては50/1.4Dもほぼ同じくらいの価格(何ならサイズも重量も大差ない)で市場に出てきている(というか50/1.8Gすらかなり安く買えてしまう…)ので、50/1.8Dを「今」選ぶ動機はなかなかないかも…。

 

【2025.1.9追記】

前回の追記から1年ウンウン言いながら使ってみたんですが、やっぱり僕にはどうも50mmという焦点距離がシックリこない。もう少し正確に書くと、Ai24/2.8sを買ってからというもの、スナップがほぼそちらに持っていかれてしまった。F90Xならほぼつけっぱだが、D750ではほとんど出番がなくなってしまっているのが現状。特段目立った穴のない優等生な撒き餌レンズだが、かと言って特に目立った特徴やクセも何もないので、正直このレンズの生かし方が未だに分からなくて困ってます。全科目85点くらい取るタイプ、みたいな。そんなわけで、レンズレビューの方も無限に後回しになってしまっている…。50mmの撮り方、誰か指南してほしいものです(笑)。

 

 

Ai AF Nikkor 85mm f/1.4D

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2023年3月購入。言わずもがな、Dレンズ系統では最高峰のレンズのひとつである。中古でまずまずの状態のものが5万円だった。いくら25年以上前のレンズとはいえ、1桁万円中盤台でこれが買える喜びといったらない。なんてったって開放でf/1.4ですから。暗くて困ることはまずない。

まず外観、金属鏡筒にメタルフードHN-31。いや、重いんですよ?重いんだけれどもこの重厚感が上位レンズらしさを感じさせる。ちなみに、体感の重さは24-85/2.8-4Dと同じくらい。ひとつだけ不満を述べると、フードHN-31がねじ込み式なので、どうにも取り回しが面倒なのがネック。外したら外したで上手くくっついて収まるわけでもなく、かと言ってつけっぱなしだとキャップを付けられないし…。

肝心の写りの方はと言えば、とにかく明るく、コントラストもやりすぎず適度(本ッ当にやや抑えめくらい?)なのがいい。発色は感覚だけど赤系統が綺麗かな?焦点距離的に万能なわけではないので、毎回持ち出すわけではないのだけれど、まあ〜〜いいレンズですよこれは。むしろ敢えて85/1.4Dの1本勝負をやったりする。単焦点はとにかく足で稼ぐのだ。車移動で荷物の重さが気にならない撮影なら、まず最初に持ち出すレンズになった。

f/1.4だと流石に被写界深度が薄く、ファインダー目視だといくら昨今のデジイチといえど打率が低いかな…(Dレンズばかり使ってて何を今更という感じではあるけど、手ブレ補正もついてないしね…)。f/2.8くらいが打率も安定して撮れると思う。もちろんf/8〜10くらいまで絞れば、現代のレンズにも劣らないくらいにバッチリ解像もしてくれる。寄れはしないけれど、焦点距離や用途を考えたらまず問題はない(寄りたい場面はマイクロレンズに交代していただいて…)。比較的安価に手に入れられるなかでは最強クラスのポートレートレンズ、Nikonユーザーであるならばこの銘玉はぜひ一度試していただきたい。ポートレートのみならず、風景やスナップでも大活躍すること間違いなし。1つだけレンズを選んで後は全部売却しろ、と言われたとしたら、間違いなくこのレンズを残すと即答する。それほど僕に取っては最高の1本なのだ。

 

 

Tokina AT-X 16-28 F2.8 PRO FX

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2023年8月購入。北海道で生活していると何かと超広角が欲しい場面が多く、複数候補と迷った末に「ひとまずこれで一旦手を打とう」と思い購入したもの。35,000円で買えるのだから大したものである。

Fマウントで超広角域になるとまず初めに思い浮かぶのは大三元、14-24/2.8Gだろう。フィルター使用前提なら16-35/4Gも候補になる。あとは純正かSIGMAの各単焦点だろうか(20/1.8Gとかそのへん)。しかし私はDレンズとトキナーが好きな人間である。逆光に弱い?今に始まった話ではない。勿論古のポンコツぶりな場面も多いし、Dレンズは特にデジタルを想定して作られたものではないから、不都合が生じることもある。しかしそれでも、Dレンズだから、トキナーレンズだから引き出せる良さもあると思っている。あと安い。迷わずAT-Xを購入した。

まず偉いのはワイド端16mmとテレ端28mmで長さが変わらないこと。インナーズームしてくれるのはめちゃくちゃありがたい。重量はかなりあるが、これだけのスペックと価格を実現しているのだから目をつぶるところだろうし、手持ちでも問題ない重さである。写りとしては、最新(当社比)のレンズらしくコントラストが高めで、トキナーブルーと称される青の発色が素晴らしい。D750との相性も良く、やはりデジタル時代に設計されたレンズなのだなと思わされた。開放f/2.8で撮るのも画面上で観るくらいならいいが、あまり大きく引き延ばすような鑑賞をされると解像度的にツラい。そのうち絞って撮影もしてみよう。

注意点としては、いくら一体型フードや頑丈なキャップがあるとはいえ、前玉はそれなりにせり出しているので扱いには細心の注意が必要。ワイド端の方が前にせり出すので、持ち運びの際はテレ端28mmに合わせた方が万が一も考えると安心かもしれない。また、今更ではあるが逆光耐性は(意外にイケる場面もあるものの)あまり高くないので、基本的には光源に向けない撮り方が求められる。満月に向けただけでも結構エライことになったので、構図は要検討。上述の通り「月でもキツい」ので、特に天体写真は頭を悩ませそうだ…。

素性はいいが、それなりに重さがあって用途も限られるレンズなので、個人的には写りの好きなレンズなのだが、あまり持ち出せてはいないかな…。超広角でキメるとハナから分かっていれば迷いなく持ち出すのだが。なお、今から購入を検討されるのであれば、後継となるOpera16-28 f/2.8の検討をおすすめする(AT-Xは旧製品なのでね)。

 

【2025.1.9追記】

ジャンルがジャンルなので、もちろん登場頻度は少なめではあるが、手元にあれば間違いなく輝ける場面はあるレンズなのは間違いないんです。…間違いないんですが、やはり光源にちょっとあまりに弱すぎて時々ムカついてしまうのと、ほぼ1kgの重さがちょっと日常ユーズするにはつらいかな…。実はSAMYANG 14mm MF MK2の導入も検討しておりまして、これが実現したら正直御役御免でもいいかもなぁなんて思っております。ただ24mmから14mmまでの間がスッポリ抜けてしまうんで、それはどうなのとも思うし、あとトキナーレンズ全般的に今リセールがオワってる(安いだけならまだしも、ヤフオク見てても感じるが買い手がそもそも全然いない)ので、処遇についてはどうしたものかと…。

 

 

 

Tokina 75-300mm AF f/4.5-5.6 for Nikon (AF730)

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手持ちでは(当時)唯一のサードパーティー製レンズ。元々Nikon F-601を使っていた母親が持っていて、もう使うことも無いとの事でお下がりして貰ったものである。とはいえ幸か不幸かあまり使われていなかったのか状態は良好。望遠マックスの300mmまでいくと解像度が気持ちアヤしくなってくるが、そこまで行かなければ20年以上前のレンズだが現代でも十分通用するレベルの解像度だと思う。

比較的柔らかいタッチの写り具合が特徴。望遠側でもf5.6と望遠にしては明るいのもありがたいし、十分実用に耐える。基本的にはf/8かそれ以上絞っての運用になる。AF速度は流石に古いレンズなのでもっさりしているので、動きが激しい動物などを捉える時は少々ツライかもしれない。重量もそれなりにあるので、バランスを重視するなら本体にバッテリーグリップをつけてもいいかも。

それほど数が出回っていないのかAmazon等では在庫切れが続いているが、よくハードオフで投げ売りされている。状態が良ければお買い得なレンズだと思う。なお、D750では動作したものの、先代のD5500ではEE表示となり使用できなかった(絞りリングを最小絞り固定にしてもダメだった)。原因は分からないが注意されたし。(追記:相方のD5300に装着したら作動確認できたので、絞りリングがf/22で固定できてなかったのかな?と思います。)

 

【2025.1.9追記】2025年正月にTAMRON A022が導入されたため、AF730は御役御免となりました。後玉のクモリがだいぶ怪しい感じだったので、実はここ2年ほどずっと限界は感じていました。ただトキナーの望遠は(もちろん性能だけ見たらいにしえのポンコツかもしれませんけど)個人的に結構好みな写りをするので、AT-X340AFあたりをサクッと手に入れて後継にするのもアリかなとぼんやり考えております。AF730でもいいんですが、流石にAF速度が遅すぎるのと、そもそも玉がほとんど出てこないので、買い替えは現実的じゃないかな。オカンのところに帰還してもらいましょう。

Nikon FEを買った。

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 寸志とは言え初ボーナスが出たのでね。1978年発売のNikonフィルムカメラ(ついでにKodakのカラープラスも)。43年も前である。43年前というと当然僕はまだ前前前世である。両親は小学生で、僕の師匠はちょうど生まれて間もない頃、マイケルジョーダンは高校生。ドイツは東西に分断されていて、現・アイヌ文化振興法は1897年の北海道旧土人保護法とかいう名前のままで、実家の辺りは川鉄の社宅が建っていた。第一次オイルショックからまだ5年、標津線も健在で、今は新幹線の名前になったさくらもはやぶさもみずほもまだ寝台列車だった。空を見上げれば今は無きマクドネル・ダグラスの飛行機がビュンビュン飛んでいて、コンコルドも現役で、平成の大合併前なので日本全国自治体だらけだし、アクアラインなんて無いから車で千葉から横浜に行くには東京湾をぐるっと回らないといけなかった。尾崎豊はまだギリギリ盗んだバイクで夜の帳の中へ走り出す前で、今や赤字を垂れ流しているだけの千葉都市モノレールなんか無くて、僕が2日に1回爆走している石勝線は開通3年前、新幹線は青帯の0系しか走っていなかった頃。

 

 
 なんでこのカメラなんだ、そもそもなんでまたカメラを買うんだというと色々事情があってね。まず手持ちの愛機D750を去年の暮れに電柱にぶつけてしまって、そのせいかオートフォーカス中心にメニュー画面と再生ボタンが反応しないやら露出までもがたまに調子狂ったりとボロボロ状態で、そんな状態で半年も放置していたので、ボーナスも入ったから流石にそろそろ修理しようってわけ。これ以上手元にこのまま置いていたらもっとあちこちが悪くなってしまいそうだった。

 だけれども手元にカメラが無い期間があるのは何か嫌で。だからその修理期間中の「代用品」って言ってしまったら心が痛いのだけれど、とはいえ半年くらいD750で全マニュアルで撮り続けて、これが結構楽しかったので修理が終わって戻ってきた後もデジイチとは別枠で、フィルムカメラとMFレンズで本格的にガチャガチャ機械弄りしながら撮りたいなあと思った。フィルムならではの写り方が良いなあというのも勿論あるのだけれど、全部自力でガチャコンガチャコン弄って撮るという行為そのものに楽しみを見出したかった。

 それからご存知の通りではあるが僕は古いモノが堪らなく好きなので、巷でにわかに流行っているかもしれないオールドレンズを使いたいと思っていて、それも所謂「非Aiレンズ」という相当古い年式のレンズ(1977年以前のものですね)。NikonさんはずっとFマウントという「ほぼ」同一規格のマウントで50年以上やっているのだが、詳しくは各位で調べて頂きたいが、実は途中でこの不変のFマウントも少し機構が変わっていたりする。この非Aiレンズ(主に「ニッコールオート」とか「ニューニッコール」とかいう名前のやつですね)とやらは現行のデジイチは勿論、フィルムカメラでも1980年代以降のやつは詳しくは述べないけれど機構の変更的なアレで装着出来ないものが多くて、ギリギリ装着出来るのがFEだったって訳だ。候補機としてはFE、FM、F2、F3あたりだったが、電子シャッター式のFEは機械式のFMなんかと比べると不遇な扱いをされているみたいで、お値段的にも優しめ。あとデカすぎず洗練されたデザインが好き。状態も良かったのでFEにした。ボディカラーは悩んだけど、黒。銀ボディはDfにでも取って置く事にした。

 

 
 さて長々と話をしているが、デジタルカメラは誠に便利な代物だ。現代っ子で良かったですね。バッテリーとメモリーカードの容量が許す限りいくらだって撮れるし、撮った成果物をすぐに液晶モニターで確認できるし、気に入らなければその場で消してしまえばいい。

 ただ、その所為でなんというか、シャッターを乱射してしまう癖が付いてしまった気がする。僕自身巧さだけを求めてる訳ではないのだけれど、良い構図になるかは解らないがどうせ気に入らなければ後で消しちまえばいい。納得いく一枚が撮れるまで幾らでもシャッターを切り続けちまえばいい。何ならLightroom通せば結構無理な修正だって利く。極論そういう事である。でも「本当にこれでいいのかな?」という葛藤はずっとあった。否、このままではダメなんだろうなとさえ思っていた。このところの僕のデジタルでの撮影行為は悪く言えば「現実逃避」だったのかもしれない。思い通りに行かなかったものは何だって消去してしまえるから。まあ故障でメニュー画面開けないから直ぐには消せないんだけど、パソコンに入れちゃえば消せるし、実際消してるし。

 その点、これから手を出す身なのでこの解釈は間違っているのかもしれないけれど、そういう意味ではフィルムはデジタルと対極にある存在なんじゃないかな、という気がする。写真屋に持って行って現像するまで成果物がどうだか解らない。もしかしたら露出オーバーの真っ白な写真だらけかもしれない。フィルム1本でせいぜい36枚分しかない制約の中で撮る。ISO感度だってフィルムごとに固定だ。おまけにすぐ手に入るやつは精々400しかない。シャッタースピードの最速もD750の1/4くらいしかない。FEはシャッター用の電池が切れても一応機械式シャッターが使えるが、1/90秒固定になってしまう。

 そう考えたらなんだかフィルムカメラって人生みたいだと思う。自由なように見えて実は制約が色んな処にあって、思い通りに行かない事が殆どだ。人生に記憶消去ボタンなんて無い。楽しい事も悲しい事も苦しい事も纏めて抱えていくしかないんだ。僕は多分人より記憶力が良い方だから尚更。それに楽しい事だって、ふとしたきっかけで全部辛い記憶に昇華してしまったりするよね。フィルムが現像された時、撮り手は消しようがない現実を突きつけられる。「これがお前の撮った写真だから黙って持って帰って受け入れろ」的な。だからこそ一枚一枚想いを込めて、思慮を重ねて大事に撮るようになるのかな、と思う。

 

 
 「フィルムカメラで撮るという経験」は、恐らく僕にとって微かな希望たりうるものだ。慣れない仕事と孤独で心身共に疲弊し、単調に過ぎ去っていく退屈な日々に何か変化をもたらしてくれるんじゃないか?という縋りみたいなものでもあるのかもしれない。今の日々は文字通り釧路の夏、霧で100m先さえ見えずにどんよりとしたモノクロの曇り空が延々続くイメージそのものだという感じもする。「生きてる理由なんてない だけど死にたくもない こうして今日をやり過ごしてる」って昔Mr.Childrenが言っていたが、正にそんなような生き方をしている。

 一応これでもやりたい(というか幼い頃からの憧れだった)仕事をやらせてもらっていて、仕事自体は滅茶苦茶楽しくて天職だなぁとは思っているんだが、でも何故僕が今何の為に働いているのか良く解らない。何の為に働いているのか、何の為に生きているのか、もっと歳食ったらもっと解らなくなるだろう。そしてもっと深く絶望する事になるだろう。何か生きる為の、生命活動を営む為のモチベーションが欲しいのかも知れない。でもそれをヒトに求めるのは人望も魅力も才能も何一つ無い僕には無理だしもう半ば諦めてしまったから、モノに求めるしかないのかもね。

 何言ってんだか解らなくなってきたけど、そしたら「何かが変わるんじゃないか」という微かな期待。いつもこんな感じで他力本願だけどこの癖はもう治らないね。ただの孤独の一時的な慰めにしかならないのかもしれないけど、まあ最悪それでもいいや。ひたすら一人で酒を飲んで泥酔して布団に倒れ込んで全部忘れようとするよりは余程生産的な活動になるだろ。これも全部酔っ払いの戯言なんだけどね。

 最後に、貴方の貴重な時間を僕の駄文で奪ってしまっておいてこれを言うのは申し訳ないのだけれど、これだけダラダラと書いたのを全て読んだ貴方は余程の物好きで無い限り相当な暇人でしかないと思うので早く寝て下さい。

地方で生きるということ

皆さん、お久しぶりでございます。めちゃくちゃサボってました。

 

(※注:この記事は4月末・5月末・6月下旬に書いた文章が入り乱れているため滅茶苦茶です。ご了承下さい。)

 

たった今(注:4月末。)✈️⭐️🇯🇵(=ジェットスタージャパン)で帰省したところですが、LCCって手荷物重量制限が結構厳しいんですよ。まあ大体どこも7kg以内というのがスタンダードなのですが、「流石に収まってるか分からんなあ」とか言いながら保安検査行ったら普通に6kgオーバーしていて4千円むしり取られたところです。私の重量感覚はガバガバなようです。まあコンプラがガバガバであるよりかは余程マトモでありましょう。

帰省したは良いものの、関東ではとてもじゃないが外出ができるような状況では全く無くなっていたようです。研修所の部屋にテレビがないのでニュースを見られるのがご飯タイムくらいしかないのですが、いつの間にか東京大阪がまたとんでもないことになっていたなあという感覚なのです。国民もいい加減なんで出てるんだかもわからず感染抑止効果にも疑問でほとほとウンザリしている緊急事態宣言が愚かにも出されてしまった今、やることといえば1ヶ月触れなかったギターを弄るか、写真を現像するか、引越し準備するか勉強するかしかないのです(←案外やることあるやんかww)。ほんとこのギャグみたいな緊急事態宣言ってなんなんでしょうね。こんななあなあな対策する政府も政府なのですが、足並み揃えてNoと言えない国民も国民だと思いますよ。そんなわけで(?)時間は有り余っているので、こんな記事を書いてみようかなと思い立った次第です。

…というのを1ヶ月前に下書きで書いていたんですが、すっかり放置してしまいまして、もう2ヶ月経ってしまいました(←おいww)(※注:5月末。)。今回は引越しの搬出(と一切終わっていない荷造り)のためにAIRDOで帰省しております。いやー、7千円くらいで取れたんですがもう最高ですねAIRDO。快適すぎ。もう元の身体には戻れないわ。

 

はじめに

簡単にここまでの経緯を書こうと思います。

私はこれまでの23年間の人生をずっと千葉で過ごしてきました(居住地はずっと千葉でした)。インキャガキンチョ時代を歴史の街もといクソ田舎の佐倉で送り、小学校入学後3ヶ月で引っ越して小中高とすべて千葉市内で過ごし、浪人時代を津田沼で1年送りました。その後マジで紆余曲折あり慶應義塾大学(経済学部)に入学したは良いものの一般的に言うような経済学があまりにも面白くなさすぎてセルフで半分文学部に入り浸って日本史ばかりやっていました。4年間を千葉東京神奈川の3都県で主に過ごした訳なのですが、就職活動の際に様々なことを考慮した結果、「地方で暮らしたい」という願望が強く出てきました(これは今も変わりません)。就活そのものはそれはもう滅茶苦茶だったのですが(これは書くとあまりに長くなってしまうので割愛。)、これまたマジで紆余曲折ありご縁があって今の会社に拾って頂き、大学も無事卒業、今年の4月から北海道に移住しております。2ヶ月間の研修を札幌某所で受けていたのですが、適性を認められたのか何故なのかは分かりませんがいきなり釧路配属を引き当て、6月より釧路へ配属されます。この前提を頭に入れて頂いた上で読んで頂けるといいかなと思います。

 

 

 

1.気候

分かってはいたことなのですが、寒いです。今日(4/30)の札幌は7℃前後で、まあ10℃はいかなかったかな〜という感じです。まあ寒い方の日だと思いますが。あと、風が冷たい。これがちょっと最初はつらいかもしれません。

ただ、寒さに関しては「まあこの時期ならこんなもんなんだな」と言い聞かせていれば全然慣れるんじゃないでしょうか。実際私も1ヶ月過ごして、「この寒さが当たり前の日常なんだよな〜」って感じですっかり順応してしまっています(※注:4月末)。ついでに、寒さって基本的に重ね着すればどうにでもなると思っていたのですが、実際のところマジで重ね着すればどうにでもなります。5月以降は札幌ならそこそこあったかくなってきます。20℃近い日もちらほらあるので、そろそろコートが要らなくなってきた頃です。まあ釧路はまだ寒いんですが。

(ここからは6月下旬の話になりますが)釧路は相当涼しいですね。というか普通に寒いです。未だに長袖重ね着してます。iPhoneの天気予報見てビビりましたよ。だって釧路は13℃しかないのに関東は真夏日寸前ですからねえ。ここまで来てしまうと暑さが厳しい地域に住むのが正気の沙汰ではないように思えてきます

個人的に寒さよりもしんどいなあと思うのは、「乾燥」です。マジでめちゃくちゃ乾いています。シワにならないように1分しか脱水しなかったワイシャツを部屋干ししたら、5時間くらいで完全に乾いていました。なお、これは室内の保温性が異常なまでに高いという北海道の建造物の特質によるところも大きいかもしれません。このおかげで外の寒さ対策で着込んでいくと屋内で滝汗をかく羽目になります。ちなみに寮の部屋も激暑なのですが、これはたまたま風呂のボイラー直上の部屋だかららしいです。

話を戻しますが、とにかく、何も対策しないと間違いなく喉をやられます。最低限の装備として、加湿器はマストです。寝るときはマスクするとか、洗濯物をたくさん室内に干しておくとかすると更に良いかもしれません。

 

 

 

2.食べ物・飲み物

これはもう言うまでもなく美味いです。札幌には炎というアホほど安い居酒屋がありまして、札幌民ならまあみんな知ってるよね的な立ち位置の居酒屋なんですね。千葉でいうちばチャンみたいなノリだと認識しております。そこに「つくねスープ」という飲み放題のスープがあるんですがこれがまあ美味いのなんの。ピッチャーで卓上安置不可避

4月頭に小樽に行ったんですが、そこの海鮮丼もめちゃくちゃ美味いんですね。観光地価格なのはご愛敬。釧路も海産物がドチャクソ美味いらしいので期待できそうであります。確かに駅弁は何食っても美味いですね。ハズレだな〜ってやつがない。稚内のチャーメン(稚内)、帯広豚丼、スパカツ(釧路)などご当地グルメもたくさんあるので、グルメ巡り的な楽しみ方もアリかなと思います。正直スパカツは一回食べれば十分だと思いますが(ボソッ。あと札幌は締めパフェ文化があるらしく、やたらとパフェを置いてる店が多いので甘党にはたまらない街かと思われます。…と思っていたのですが釧路の喫茶店もなぜかパフェを置いているところが多い気がします。

そして酒が美味いんだわこりゃ。サッポロクラシックが無敵すぎて敵わない。コスパ重視ならセコマで150円くらいで売ってるパームビールが圧倒的推し。発泡酒と同じくらいの価格なのに普通に美味い。ちなみにこっちに来てからサッポロクラシックとパームビールとヱビスプレミアムエールしか買ってません。あ、余市と厚岸はウィスキーも(余市はワインも)アツイので、こちらもお試しあれ。道東はビール不毛の地ではあるのですが、(正確には発泡酒ですが)知床ドラフト流氷ドラフトがちらほらコンビニに置いてあったりするので大変オススメです。ぜひグラスに注いで飲みましょう。ビックリします。

ちなみにセコマには110円で買えてしまうカルボナーラやら焼きうどんやら海老塩焼きそばやらがあるので、貧困に陥ってもいきていけます。

 

 

 

3.その他

素朴であったかい人が多いです。みんな寛容です。基本的に。もちろん例外的な人はいると思いますが…。なんというか、健やかに育ったんだなあという人が多いような気がします。変な意味じゃないですよこれ。あ、あと綺麗な方が多いです。ほんとに。

 

街並み:この3ヶ月で行ったところだけですが。

日本の大都市だと圧倒的に札幌が好きですね。高層ビルがほとんどないので上を見上げなくて済む。札幌の街自体はかなり整備されて造られたんだなあという印象を受けます。まあこれから新幹線札幌延伸で駅前はまた魔改造が始まる訳ですが…。デカい駅にしては構造が比較的わかりやすいように思います。この辺は仙台にも通じるところがあるかも。

道北の方(宗谷本線)に行くと大体同じような駅前・同じような街並みになります。行けばわかります。

旭川は典型的地方都市という印象でした。それほど特徴があるわけではないんですが、住むには全然不便しないかなあと思います。札幌も特急で1時間半なので。

岩見沢・釧路は駅前が案外何もなく、デカい道路沿いの方が栄えています。これは地方都市あるあるだね。東室蘭岩見沢と何となく雰囲気が似てます。なんとなく。ちなみに釧路の駅前に出るといきなり廃墟ビルが登場します。余談ですが、釧路駅駅舎はめちゃくちゃエモいので是非お越しください。夕暮れ時がたまりません。

 

物価:札幌は普通だと思います。ただ飲み屋は関東よりも安い(そして美味い)気がします。地方に行くとちょっと安いらしいです。公共交通機関は首都圏より少し高め。釧路は飯類がなにかとデカ盛りなのですが、量を考えたら安い気がします。驚安の殿堂・ドン・キホーテさんと価格破壊神・トライアルさんがあるので貧民でも安心して暮らせます。

 

 

 

おわりに:地方で生きるということ

「おわりに」というかむしろ個人的に伝えたいこととしてはこれが主題なのですが、「なぜ私が地方に住みたいと思ったか」という話をしようと思います。ゆるふわっとまとめると

「自分は都会に暮らすのに向いていない」

「良い部分も不便さも感じながら地方で暮らす経験をしたい」

「地方の方が自分にはメリットが大きい」

の3本立てです。

早速単刀直入に言うと、都会に疲れてしまったというのはあると思います。まずは「混雑」。私は僭越ながら約3年間超満員の総武線快速に揺られて1時間20分、ドアtoドアなら1時間45分の通学を続けてきました。3年間だったからまだ耐えられたわけです。放蕩学生の身分だったからこそ耐えられた訳でもあります。この過酷な通勤環境で(しかも仕事をしながらというストレスの増える条件下で)40年も勤められるんだろうか?というのは大きな疑問としてあった訳です。さらに街に出れば頭おかしくなるくらい人。人。人だらけ。基本的に私は人混みが嫌いです(頭痛くなる)。そしてコンクリートだらけ、高層ビルだらけ。嫌でも上を見上げないといけない。コンクリートジャングルで狭くなった空の下で飼われ続けないといけない。これも大きなストレスを生むこと間違いなしだなと思ったということです。

続いて「日本=東京(及び首都圏)ではない」ということ。当たり前ですが、47都道府県すべてによりこの日本という国は構成されています。大学時代に貧困旅行をしまくって国内の色んなところを回ってきた訳ですが、その中でゆったりとした時間が流れる田舎に惹かれていく私がいたのは事実です。加えて、首都圏だけに閉じこもっていて良いんだろうか?とも思っていたのです。田舎で暮らすと確かに都会に比べて不便な部分が生活していく中で見えてくると思いますが、それすら私には楽しみだったのです。「なんでこんな不便なんだよぉぉぉぉ!!!!」って思わず叫びたくなるような場所で暮らしてみたかったのです(頭おかしいって言わないでください)。あとは仕事上の関係というか、とどのつまり私のやりたいことはざっくりまとめると「地方創生」なので、じゃあ地方知らないとダメじゃんってことでついでですがそういう事情もあります。

続いて「費用対効果」。確かに東京(の大企業)は賃金水準が高いのは紛れもない事実です。ヘイシャは個人的にとても自分に合っているなあと感じていますが、首都圏の同業他社と比べると流石に給与が少し落ちます。これは仕方ないことだと思っています(普通に求人情報に出てるので喋ってしまって良いと思いますが、初任給額面で18万ちょいくらいです。首都圏だと業界にもよるけど20〜25くらいのところが多いよね)。ただ、東京で暮らすとなると生きるためにかかるコストも高くつくのではないかと思ったのです。例えば土地。東京の地価はあまりに高すぎます。正直頭おかしいですよアレ。てかもっと皆疑問持つべきですよ。なんでこんなにバカ高いんだって。三田での話ですが、個人的に20分クルマを止めて400円だなんて正気の沙汰ではないです。実家の近くでさえ400円あれば半日は止められるというのに。家賃にしても、クルマを買うにしても、まあ高くつくんじゃないかと思った訳です。そんなわけで支出を考慮したとき、首都圏に比べて若干の収入減であっても、地方で生活した方が私は幸せになれると考えています。まあ正直これを言えるのはヘイシャが比較的福利厚生が手厚いからってのはあるのかもしれませんが。

そして「競争社会」。大学に入って初めて都内に出て思ったのは、とにかくここに生きる人たちは皆が上を目指して日々身を削って争っているんだということです。ちょっとニュアンス変わっちゃうんですけど、生き急ぐというか、ずっとバチバチしながら生きていくのは嫌だなあと思ったんです。もちろん全ての業界がというわけではないですが、生存競争に揉まれて消費されて削られていくだけの人生、一体何が楽しいのか?と思ったんです。残念ながら私は何にでもチャンスを見出すプルデンシャルゴリラではありませんので。ゆっくりのんびりと言ったらあまりに緊張感がありませんが、自分のペースで生きていくには大らかな人たちに囲まれながら程よい地方で生きていく方が自分には合っているんじゃないか?と考えた訳です。

あとこれはおまけなのですが、今回のコロナ騒動で完全に浮き彫りになりましたが、何かあったときに真っ先に規制がかかるのは首都圏(あと関西圏)です。地方の方がある程度好き勝手できるかなあというのはあります。まあ北海道も結局巻き込まれてしまったんですが…。まだ街中も灰皿だらけだし地方最高ですね!!!!!!!!

 

果たして読む人が現れるのか分かりませんが、書きたいことは大体書きました。

私の代の就活だったり、後輩の就活話を聞いていたりして、異様に首都圏にこだわる人も想像以上にたくさんいたので、勿論それぞれの価値観がある訳なんですが、そういう方々にこんな価値観で生きてる人もいるよって伝わればいいかなあってのも946mmくらい思って書きました。ぼちぼち終活勢も悲しいことに出てきて、迷ってる人もいると思うので、もしかしたら参考になるのかもしれません。誰かの参考になったなら幸いです。

以上です。